令和8年3月議会 上程議案の解説

本会議

皆さん、こんにちは。京田辺市議会議員の長田和也です。令和8年3月議会に市から提案された議案のうち、補正予算や予算を除く21件について、私たちの生活にどう関わるのか、議員の視点で読み解いたポイントを簡潔にまとめました。

【条例の制定・改正・廃止】

  • 議案第1号 公共施設等総合管理基金条例の制定 市内の公共施設が今後一斉に老朽化する問題に対し、計画的な改修や更新に備えて新たに「貯金箱(基金)」を作る提案です 。将来世代にツケを回さないための重要な備えですが、積立額の妥当性や使い道の透明性を議会として注視します。
  • 議案第2号 地方自治法改正に伴う関係条例整理 国の法律が変わることに合わせて、市のルールも表記を整えるという事務的な手続きの議案です 。市長の損害賠償責任の免責に関する条例や、上下水道の条例にある引用条文のズレを修正するものであり、市民生活への直接的な影響はありません 。
  • 議案第3号 訪問支援員派遣手数料の徴収に関する条例の全部改正 令和8年度から新たに「子育て世帯訪問支援事業」が始まることに伴い、利用手数料のルールを定めます 。従来のホームヘルパー派遣を改め、生活保護や非課税世帯は無料、それ以外は1時間700円とする内容で 、子育て支援の拡充として歓迎すべき提案と受け止めています。
  • 議案第4号 選挙運動の公費負担に関する条例の一部改正 市議会議員や市長の選挙で、候補者が使うビラやポスターの作成費用の公費負担(市が負担する上限額)を引き上げる提案です 。昨今の物価高騰を踏まえた国の基準変更に合わせたものですが 、税金が使われる部分ですので、適正な運用が求められます。
  • 議案第5号 行政手続条例の一部改正 市が市民に不利益な決定をする際、相手の所在が分からない場合の「お知らせ(公示)」の方法をデジタル化する提案です 。これまでは市役所の掲示板に貼っていましたが、今後はネット等でも閲覧可能になります 。確実な情報伝達の観点から妥当な改正です。
  • 議案第6号 特別職の職員の給与に関する条例の一部改正 市長、副市長、教育長といった特別職の給料月額を、社会情勢や民間賃金の上昇、府内他市の状況を考慮して引き上げる提案です 。あわせて期末手当の支給率も変更されます 。市のトップの処遇として市民の納得が得られる水準か、議会でも議論すべきポイントです。
  • 議案第7号 職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正 イノシシなど有害鳥獣の捕獲という、危険で困難を伴う現場作業に従事した市職員に対し、1回500円以内の特殊勤務手当を新たに支給する提案です 。過酷な業務に見合った処遇改善であり、現場で汗を流す職員のモチベーション維持の観点から必要な措置だと考えています。
  • 議案第8号 乳児等通園支援事業の設備及び運営基準条例の一部改正 国の基準改正に伴うルールの見直しです 。児童虐待の「防止」を「禁止」と表現を厳格化したり 、電磁的記録(ペーパーレス化)の規定を整理したりする内容です 。子どもたちが安全に通える環境づくりのため、着実に進めるべき規定のアップデートです。
  • 議案第9号 国民健康保険税条例の一部改正 国が新設した「子ども・子育て支援金制度」の納付金を確保するため、国民健康保険税の税率や限度額などを見直す提案です 。新たな支援金制度を支える仕組みですが、国保に加入している市民の皆様の負担に直結するため、影響がどの程度か注視が必要です。
  • 議案第10号 介護保険条例の一部改正 令和8年度の介護保険料の算定において、特定の給与収入(55.1万円〜190万円未満)がある第1号被保険者を対象に、所得金額の計算方法に特例を設ける提案です 。国の政令改正に基づく措置で 、保険料の急激な負担増を和らげるための必要な配慮だと読み解いています。
  • 議案第11号 火入れに関する条例の一部改正 新たに「火災に関する注意報」が運用されることに伴い、山林等で火入れ(野焼きなど)をしてはいけない条件に、この注意報などを追加する提案です 。乾燥時や強風時における火災リスクを未然に防ぎ、市民の生命や財産を守るための適切な安全対策の強化と言えます。
  • 議案第12号 水道事業及び下水道事業の設置等に関する条例の一部改正 これまで別の枠組みだった「し尿処理事業(緑泉園)」を、下水道事業に統合して地方公営企業法を適用する提案です 。事業の採算性やコストを明確にし、より透明性の高い経営体制にするための組織再編と捉えており、今後の効率的な運営に期待しています。
  • 議案第13号 消防団員等公務災害補償条例の一部改正 消防団員などが消火や救急活動等の公務中にケガなどをした場合の、補償基礎額(基準となる日額)を9,700円から10,000円等へ引き上げる提案です 。地域防災の要として危険な任務に就く方々への補償を手厚くするものであり、賛同できる内容です。
  • 議案第14号 火災予防条例の一部改正 近年流行しているテント型やバレル型などの「簡易サウナ設備」について、出火を防ぐための安全装置の設置や距離の基準を新たに設ける提案です 。また、新たな「火災に関する注意報」発令時の火気使用制限なども追加され 、時代の変化に合わせた火災予防ルールの整備です。
  • 議案第15号 小学校、中学校及び幼稚園の設置並びに管理に関する条例の一部改正 令和9年4月に「松井ケ丘幼稚園」を「大住こども園」へ統合し、松井ケ丘幼稚園を廃止するための提案です 。現在の在園児は原則として大住こども園へ移ることになります 。幼児教育・保育ニーズの変化に伴う施設再編ですが、子どもたちや保護者への丁寧なケアが不可欠です。
  • 議案第16号 財務条例の廃止 昭和23年に作られた古いルール(財務条例)を廃止する提案です 。市が持つ債権に対する延滞金や督促の手続きを一つの条例で一律に縛るのではなく、性質に応じた個別法規で適正に処理していくための整理であり 、実務に即した見直しです。

【規約の制定・変更】

  • 議案第17号 消防指令業務を処理する内部組織の共同設置に関する規約 119番通報の受付や出動指令を行う「情報指令課」を、京都市や宇治市など近隣9団体と共同で京都市内に設置する提案です 。広域化により、大規模災害時の連携強化や高度なシステムの共同利用が可能になり、より効率的で強靭な消防体制が整備されると大いに期待しています。
  • 議案第18号 消防指令業務共同設置組織の職員給与支給事務委託に関する規約 第17号議案で京都市に共同設置される情報指令課へ、本市から派遣する職員の給料などの支給事務を、本市が受託するための手続きです 。広域運用を進めつつ、本市職員の身分や給与水準をこれまで通り適切に維持するための事務的なルール整備として読み解いています。

【道路認定・財産処分・指定管理】

  • 議案第19号 道路線の認定 宅地開発などに伴い新しくできた道路(薪西山8号線、地蔵谷5号線)を、正式に「市の道路」として認定する提案です 。認定されると、今後は市が責任を持って維持管理や安全対策を行うことになります。地域の生活基盤が整うための定例的かつ重要な手続きです。
  • 議案第20号 財産処分 GIGAスクール構想で子どもたちが使ってきた旧型の学習用タブレット(6,183台)が、新機種への更新に伴い不用となるため、専門業者へ約3,400万円で売却処分する提案です 。役目を終えた機器を適切にリサイクルし、市の貴重な財源として還流させる妥当な対応です。
  • 議案第21号 社会福祉センターの指定管理者の指定 地域福祉の拠点である「社会福祉センター」の管理運営を、公募ではなく、実績のある「市社会福祉協議会」に今後5年間任せる提案です 。単なる貸館ではなく、様々な福祉団体と連携した地域福祉の増進が求められる施設であり 、同協議会が担うことが最も適していると判断できます 。

令和8年3月議会に上程された全21議案は、京田辺市の未来と市民の皆様の安心・安全な暮らしに直結する重要な内容ばかりです。

特に注目すべきは、老朽化する公共施設等の改修等に備える「公共施設等総合管理基金」の創設や、京都府南部地域での消防指令業務の広域化に向けた共同設置など、将来のまちづくりと防災体制の強化を見据えた議案です。また、新たな「子育て世帯訪問支援事業」の開始や松井ケ丘幼稚園の大住こども園への統合、GIGAスクール構想による学習用タブレットの更新・処分など、子どもたちを取り巻く教育・保育環境も大きな転換期を迎えています。

私たち議会に求められているのは、これらの提案が本当に市民の皆様の利益にかなうものか、多角的な視点で厳しく審査することです。引き続き、予算委員会の場などを通じて現場の声を大切にしながら、より良い京田辺市の実現に向けた議論を深めてまいります。皆様の率直なご意見も、ぜひお寄せください。

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